2023
SHIMOKAWA HINAKO
Tama Art University
Art and Media Corse
Future Lab
12146027 シモカワ ヒナコ
2021年4月に多摩美術大学 情報デザイン学科メディア芸術コースに入学。
3年目の2023年、フューチャーラボに所属。自分の個性をさらに突き詰めていく一年となりました。
ここではその一年間で制作した作品、それに関する物をまとめ、掲載します。
第一課題 自画像
『わたしクレヨン』
この自画像というテーマの課題で私は、
「今現在ここにいる私を構成しているものは何なのか」ということを考えました。
そして、それに1番当てはまるものは、自分自身の過去の経験や思い出、記憶なのではないか、と思いました。
明るい記憶に限らず、辛い経験、あまり思い出したくないこと、20年の人生で経験してきたことは、全て今の私の構成要素になっていると思います。
そんな私を構成する"私だけの記憶"には深く結びついた"私の記憶の色"があります。
そこで、私からしか抽出できない、それらの色を記憶からいくつか取り出して、
webサイト上に7色のクレヨンとしてまとめました。
何かが傷んだ、または傷ついた記憶がある話のクレヨンほど、ラベルや本体がボロボロになっています。
(セロテープで補強=ぬいぐるみのほつれをなおして大切にしてきた…など)
対して一瞬の出来事や特別な思い出は、大切に心にしまっていたのであまりすり減ってはいません。
そうした点も注目して欲しいです。
ギャラリー
第二課題 メタモルフォーゼ
『げんじつとうひ』
テーマである変化/メタモルフォーゼと自分の関係について考えた時、
私は『不変』を望むことが多いなと感じました。
例えば、遠く離れた友人との人間関係、大人になって変わっていく環境、大切な人が老いていく様、そうした『時の変化』を受け入れたくなくて、しばらくもやもやとした気持ちで頭がいっぱいになることがあります。
そうなった時、私はよくベッドに引きこもります。
ベッドはいつでも私を優しく包み込んでくれるし、嫌なことから守ってくれます。
何も考えずに丸まってじっとしているだけで、時が全て止まったようにも感じて落ち着きます。
しかし、『変化』というものは、どんなに止めたくても止められるものではありません。
私がそうしてベッドに篭って現実逃避をしている間にも、月日はどんどん進んでいます。
寝相も変わり、寝具は散らかり、シーツの皺だって寝返りを打つ度増えていきます。
見ないふりをしても、拒んだ『変化』がそうやって自分自身にも起き続けているのが現実です。
それがわかっていても、私は『変化』から少しの間でも目を背けるため、ベッドで現実逃避を続けてしまっています。
そうした日常的な変化と私の関係を、時計という形態で作品に表しました。
第三課題 風刺
『きけんがだいすき』
この風刺というテーマで私が対象に選んだのは、世間一般で『やってはいけない』と言われていることや、
『守ろう』と言われているルールを簡単に破って自ら危険へ足をつっこんでしまい、
結果、自業自得な結末を迎えてしまう哀れな人たちです。
それを絵本の形態でブラックユーモア的に表現するのを目標にしました。
ルールやマナーを自ら破りにいってキケンな目にあう人々を『キケンがだいすきなひと』という
皮肉的なポジションに捉えて、その人たちのこの後の行動をしかけ絵本として手伝うことで、
『決まりごとを破ると結局自らが痛い目をみることになる』ということがわかりやすいように表現しています。
風刺対象は大人達でありながら、子ども向けの絵柄やひらがなを多用することで、
『世の中にはこんな幼稚なことをする大人達がいるんだよ』と皮肉るようなものに仕上げました。
第四課題 自由
『そらもよう』
タイトルの通り、晴れ、雨、雪の「そらもよう」をカラフルに空間(そら)に描く作品です。
自作のデザイン画を元に、天気の持つ表情をアクリルのポップなモチーフで表現しました。
私は色の存在が好きです。色は様々なものを鮮やかに彩り、気分を高めてくれます。
3年生になるまで色とりどりの作品を自分の個性にしてきましたが、
空間を彩るものを制作する時が1番楽しかったです。
自由課題なのを生かし、第四課題では空間を作る・鑑賞する楽しさを目指して
このモビールを制作してみました。
着想元は赤ちゃんのベッドに設置されるベッドメリーというおもちゃです。
幼い頃に自分の頭上でゆらゆらと揺れていた記憶が鮮明にあり、
『あんな可愛らしいものが作りたい!』という想いからモビールの形態を選びました。